
- 数学の証明問題が解けない
- そもそも、証明問題をどう考えていけば良いかわからない
- 証明問題の苦手意識を克服したい
という方へ
本記事では、以下の内容を解説・実践します。
- 数学の証明問題は全て「3STEP思考法」で解ける話
- 「3STEP思考法」とは何かと、そのポイント
- 【実践】実際に「3STEP思考法」を使って証明問題を解いてみよう
この記事を書いた人
- 数学の証明問題の得意不得意を分けるのは「型・パターンの習得」にあることを発見
- そこで、数学の本質から、証明問題を解く上で重要な考え方である「3STEP思考法」を考案
- 【実績】「3STEP思考法」を教えたことで、数学が苦手な生徒が証明問題テストで9割以上得点するまでに
数学の証明問題はすべて「3STEP思考法」で解くべし!
「3STEP思考法」の「3STEP」とは「仮説→結果→過程」である
数学の証明問題って難しいですよね?
でも実は、数学の証明問題ってたった一つのパターンさえ習得すればすべて解けるようになるのです。
しかも、その考え方はそこまで難しくなく、たった3STEPを意識すれば良い方法となっています。(この考え方を、「3STEP思考法」と呼びます。)
要は、数学の証明問題は「3STEP思考法」ができればOKということです。
では、「3STEP思考法」の「3STEP」とは何かというと、「①仮説→②結果→③過程」の順で証明問題を組み立てる思考法となります。
- ①仮説(=問題で与えられた条件など)
- ②結果(=最終的に証明したいこと)
- ③過程(=証明していく過程、仮説と結果の間)
なぜこれで数学の証明問題が解けるのかというと、そもそも証明問題が何を求めているかに理由が隠されています。
数学の証明問題とは、簡単にいうと「与えられた条件(=仮説)から、証明したい内容(=結果)があって、その間である過程を答えてね」という構造になっています。
そのため、「仮説・結果・過程」の3つを明確に意識して書けば証明問題に答えたことになるというわけですね。
といっても、実際の問題がないと理解しづらいので、実際の問題をもとに「仮説・結果・過程」とは何を指すか見てみましょう。
この問題の場合、
- ①仮説は、問題で与えられた条件のことなので「連続する二つの奇数の和」
- ②結果は、最終的に証明したいことなので「4の倍数となる」
- ③過程は、証明していく過程で仮説と結果の間=解答のことを指します
ここまでで、仮説・結果・過程が何を示すかお分かりいただけましたでしょうか。
そこまで理解できた方は、次の「過程」という解答の作り方に進んでください。
「過程」は「仮説」と「結果」をつなぐ意識で書くべし【足りないものを補っていく】
仮説は「問題で与えられた条件」、結果は「証明したいこと」でしたね。
これは、言い換えると仮説は「スタート」で、結果は「ゴール」とも言えて、解答はそのスタートとゴールを結ぶ「過程」を作っていけば良いのです。(このように、証明問題は仮説から結果をつないでいくという問題が大半です。)
そのため、証明問題は「スタートとゴールを結ぶ上で、スタート(=仮説)で何が足りないか」を考えて、補うだけOKです。
といっても、具体的な問題がないとイメージがつきにくいので、先ほどの問題で実践してみましょう。
- ①仮説=「連続する二つの奇数の和」
- ②結果=「4の倍数となる」
この問題では、証明したい「結果」は4の倍数と言っているのに、仮説に全く4の倍数なんて文言はありません。
そのため、今回の問題では「4の倍数」という状態が足りないことになります。
数学で4の倍数を示すには「4×整数」と表せますね(ここでつまづいた人はまず基本から押さえていきましょう)。つまり、最終的にこの形に持っていけば良いのです。
そのため、整数を文字において証明します。
奇数は「2×[整数]+1」なので、連続する二つの奇数は、整数nを用いて、「2n+1」「2n+3」と表せます。
そこから、「4×整数」のゴールに向かっていけば良いので、「2n-1,2n+1」の和から
(2n+1)+(2n+3)=4n+4=4(n+1)
となり、n+1は整数なので、「4×整数」の形に持っていけました。(補足:少し発展ですが、連続する二つの奇数を2n-1,2n+1と置くともっと簡単になります)
このように、仮説と結果を繋ぐ「過程」を書けば、証明問題の解答となるのです。(今回は、あえて基本問題を例に挙げましたが、どんなに難しい証明問題でも必ずこの3STEPで解けます。)
今回の実例でそれが少しでもわかっていただけたら嬉しいです。(もし物足りないという人は、難しい証明問題の解答とかをみて、本当に3STEPで証明が解かれているか見てみると良いですよ。)
ただ、もちろん例外(背理法とか対偶とか)はあります。しかし、完全に3STEPと一致しないまでも、最終的には3STEPに戻ってくるように最初の仮説や結果をうまくいじって解いていくことが非常に多いです。
そんなに見る機会は多くないと思いますが、問題文にある仮説や結果をそのまま丸写しではうまくいかない問題もたまにあるので一応注意しましょう。
なぜ「3STEP思考法」で全ての証明問題が解けるのか
ここまでしっかり理解した皆さんなら察しているかもしれませんが、結局、「仮説から結果を求めてね、その過程を書いてね」というのが証明問題の本質です。
そのため、その本質のまま「仮説」「結果」「過程」を書けば絶対に正解になります。
だから、証明問題は、忠実に3つの本質をなぞった「3STEP思考法」で必ず解けるというわけです。
3STEP思考法を使って実際に解いてみよう【実践】
先ほどの問題は、少し簡単なものを扱いました。
では、本番として、少し難しい証明問題を3STEP思考法を使って実際に解いてみましょう!
【問題】実際の問題を解いてみよう
【解答の流れ】「仮説・結果」、そしてその2つを繋ぐ「過程」という順番で解いていく
①仮説=スタート
仮説は、「問題で与えられた条件」なので、今回の問題では以下の通りです。
「nを自然数とする。」
②結果=ゴール
結果は、「証明したいこと」なので、今回の問題では以下の通りです。
「n2+4n+3が素数にならない。」
③過程=解答内容
上記のスタートとゴールを結ぶことを考えます。
スタートは「nを自然数とする。」でこれ以上どうしようもないので、ゴールの「n2+4n+3が素数にならない。」からスタートをつないでいきます。
素数とは、素因数分解ができない数字のことですね。そのため、逆には素因数分解ができてしまえば「素数にならない」証明ができるということになります。
n2−4n+3を素因数分解の形、つまり掛け算の形にできてしまえばいいので…
n2+4n+3=(n+3)(n+1)
となり、しっかり因数分解の形になりましたね。
ただ、ここで注意です。(n+3)×(n+1)の、(n+3)か(n+1)のどちらかが1だったら素数になってしまう可能性が残っています。
(例えば、1×7=7は、掛け算の形でも1が入っているので素数ですね。)
ここで、最後にスタートからゴールをつないでみましょう。
スタートは「nを自然数とする。」でした。
そのため、nは1以上の整数であることから、(n+3)も(n+1)も必ず2以上の数字になります。
つまり、心配していた「1×素数」の形にはならないということになります。
よって、n2+4n+3は(n+3)(n+1)と素因数分解ができ、さらに(n+3)も(n+1)も1ではないことから、「素数にならない」ことが証明できました。
【解答】完全版(参考程度です、理解できた人は飛ばしても構いません)
まとめ
いかがだったでしょうか。ここまでの話を簡単にまとめておきます。
- 仮説(スタート)と結果(ゴール)を問題文から見抜く。
- そのスタートとゴールを結ぶという考え方で、過程(答え)を書いていく。
※このまとめだけ見てもわかりませんよ。ちゃんと本文読んでくださいね。
みなさんが、この唯一無二のパターンをしっかり習得して、証明問題が得点源になることを祈っています。